ピラティスの特徴
ピラティスのゴールは、体と心をコントロールし、強さ、柔軟性、耐久性のある筋骨格を追求することです。特に脊柱の自然なカーブを取り戻すことで、無理なく動けるバランスのとれた姿勢を作っていくことを目指します。
ピラティスは「ちょっときついヨガ」「ヨガの一部」などと誤解されることが多いようです。確かに、ピラティスは東洋医学と西洋医学の影響を受けているので、まったく関係ないとは言い切れません。しかし、エクササイズとして見た場合、ピラティスはヨガとはまったくの別ものです。
ヨガは筋肉の柔軟性、ストレッチに重きを置き、精神の安定を目的とします。これに対してピラティスは、筋肉の強化に重きが置かれ、しなやかで強い筋肉を作ることを目的とします。
詳しくは後述しますが、ピラティスはリハビリを目的として考案されました。ですから、怪我のリハビリ、健康的な体作りにも最適なエクササイズです。
筋力の強化が必要なダンサーやプロアスリート、妊娠中のかた、ご年配のかた、運動不足のかた、運動が苦手なかた、ふだんやっているスポーツのパフォーマンスを向上させたいかた。ピラティスはどんなかたでも無理なくできます。ぜひ一度、体験してみてください。
ピラティスとスポーツ・ダンスの深い関係
なぜスポーツ・ダンスにピラティスがいい?
「体のコンディショニングにピラティスがいい」
スポーツやダンスをやっているかたなら、一度は聞いたことのあるセリフではないでしょうか。では、なぜスポーツ・ダンスにとってピラティスがいいのでしょう。理由はいくつもあるのですが、主に4つ挙げられると思います。
怪我の予防
スポーツ選手やダンサーに多いのは、足首、ひざ、腰のケガです。いちばん衝撃を受ける部位ですから、ケガをしやすい箇所ではあるのですが、脊柱が正しく配置されていなかったり、筋肉を正しく使えていないことでケガをします。
たとえば、ダンス、特にバレエのターンアウト。足首だけ開いたり、ロールインすると足首をねんざしてしまいがち。でも、ピラティスで股関節の筋肉の正しい使い方を学べば、股関節からの正しいターンアウトができるようになり、足首のねんざも防ぐことができます。
ジャンプの着地でひざを悪くしたり、ねんざしたりすることもあります。これは着地の仕方が悪いからかもしれません。ピラティスのジャンプボードを使えば、足首を柔らかく使い衝撃を逃がす着地の方法を学べます。
ピラティスで脊柱を正しいアライメントにすることも重要です。これにより、体全体で衝撃を吸収できるようになり、ケガをしにくくなります。
コアの安定
どんなスポーツやダンスでも重要なのがコア(軸)。コアが安定すれば、バランス力が養われ、回転やジャンプなどのテクニックも向上します。そして、このコアを鍛えるエクササイズこそがピラティスです。
筋力強化
ダンサーだけではなく、スポーツ選手にも必要とされるのは、しなやかで細く強い筋肉です。こうした筋肉を作り上げるにはインナーマッスルの鍛錬が必要不可欠。しかし、インナーマッスルはふだんはなかなか意識できません。そこで役立つのがピラティスです。ピラティスはインナーマッスルを鍛えるエクササイズだからです。それだけではありません。意識しづらかった筋肉を使えるようになれば、体の動きの幅も広がり、クオリティーも上がります。
呼吸
バレエを踊っている最中は常に引き上げを意識していなければいけません。そして上体の引き上げには腹筋を収縮させておく必要があります。その際、お腹を膨らませる呼吸をしてしまうと引き上げを保つことができません。ですから、胸郭の横と後ろに息を入れるピラティス特有の胸式呼吸がとても役に立ちます。
脊柱のアライメント、骨盤の正しい配置、正しい筋肉の使い方。ピラティスでこれらを学べば、ケガを予防でき、可動域も広がるということです。
ダンサーだからこそダンサーのことがわかる
このように、ダンスとピラティスはとても密接なかかわりがあります。このことを強く実感するのが海外のバレエスタジオです。私(河南達郎)が海外留学していて驚いたのが、海外のバレエスタジオにはピラティススタジオが併設されていて、マシンも完備されていたことです。カンパニーやスクールでは、マシンがなくてもマットクラスは必修でした。
しかし、日本ではどうでしょう。周りのバレエ仲間でピラティスをやっているかたはどれほどいますか? ほとんどいないのではないでしょうか。
私たちがSky Pilates Tokyoを立ち上げたのは、まさにそのためでした。
バレエには特別な動きがたくさんありますよね。股関節の付け根からのターンアウト、アーチを意識したつま先伸ばし、高いルルベなどなど。こうした実際の踊りに役立つようにピラティスを指導しなくてはいけないのですが、それができるインストラクターが日本にはまだまだ少ないんです。
STOTT PILATES®(※)には、個人の体・目的に合わせて負荷を上げ下げしたり、怪我をしている部分に負担をかけないようするエクササイズがたくさんあります。解剖学的にも理にかなっています。ダンサーに役立つトレーニング方法が山のようにあります。
ピラティスを通じて、バレエダンサーたちには怪我なく長く踊ってもらいたい。よりよい体のコンディショニングをしてほしい。日本のバレエ界で、コンディショニングとしてのピラティスをメジャーにしたい。そんな思いがSky Pilates Tokyoにはつまっています。
単に思いが強いだけじゃありません。Sky Pilates Tokyoには経験・知識の豊富なインストラクターがいます。当スタジオの設立メンバーである河南達郎は国内外でプロのダンサーとして活躍してきました。現役の間、ずっとピラティスをやっていました。船橋加奈子は、バレエをはじめとする舞踊を大学で学び、バレエ教師としての経験もあります。ダンサーだからこそ、ダンサーのことがわかります。
もちろん、ダンサーだけではなく、趣味でスポーツをやっている方、ビジネスの場において姿勢を気にしている方、リハビリ中の方にもピラティスを体験していただきたいと思っています。ピラティスはどんな方にも、無理なく楽しみながら、ご自身の目的に合ったエクササイズを取り入れ、セッションをしていくことができます。
もっと動きのクオリティーを上げたい。長くダンスを踊っていきたい。未然に怪我を防ぎたい。怪我をしたけど、まだまだスポーツを続けたい。
そんな風に思っているかた、ぜひSky Pilates Tokyoに来てください。楽しく、そして深く、ピラティスを語りあいませんか?
- STOTT PILATES®:ピラティスのメソッドのひとつ。詳しくは「STOTT PILATES®とは」をご覧ください
ピラティスの歴史
”ピラティス”は人の名前です。ジョセフ・H・ピラティス氏(1880~1967)が考案したエクササイズなので、このような名前がつきました。
ボクサーやサーカスのパフォーマンスをし、護衛術のトレーナーも経験していたピラティス氏は、第一次世界大戦時、捕虜として拘留されます。ここでケガをし、あるいは寝たきりになってしまった仲間たちのためにエクササイズを考案・指導します。これがピラティスの始まりです。
同時にピラティス氏は、リハビリ用の器具も考案します。この器具はのちにリフォーマーになるわけですが、それはさておき、このような経験を経て、ピラティス氏は看護士として働くようになりました。
筋肉の動きを意識的にコントロールすることをコントロロジーと言います。現在のピラティス・メソッドにつながる、コントロロジーに基づくオリジナルエクササイズはこの時期に体系化されました。
さて、第一次世界大戦後、ピラティス氏はアメリカに移住し、マンハッタンにスタジオを開設します。
ピラティス氏がアメリカに渡った1930~40年代といえば、バレエとダンスの創世記です。ジョージ・バランシンやマーサ・グラハムなど、多くのダンサーがピラティスのもとで学び、体を痛めたダンサーたちがスタジオに殺到します。こうして、ピラティス・メソッドが広まっていきました。
そして現在、世界のピラティス人口は1000万人以上と言われています。日本にも数多くのスタジオがあり、多くのかたがピラティスを習っています。